近藤染工場とサッポロビール
昨日(7月28日)も夏らしく暑い一日でした。昼、お打ち合わせに近藤染工場さまにお伺いして、この界隈で毎年の風物詩ともなっている朝顔をパチリ。壁一面の朝顔も見事ですが、玄関に置かれた鉢植えがまた可愛らしく、目に涼やか。夜は大雪経営塾「2011夏」オープンセミナーでサッポロビールの浦道北支社長のお話をお聞きした。これまでごく自然に感じていたサッポロビールへの愛着。単に地元ブランド名を背負ったメーカーだからというだけじゃなく、創業以来、続いている契約農家のポップ栽培など、地域にこだわる企業理念あればこそとまさに納得のひととき。サッポロビール党を自認して25年(一応の計算上ね)、交流会でのサッポロ黒ラベルがまた喉に涼やか。
近藤染工場もサッポロビールも創業を明治初期に遡る老舗企業だ。今も地域に根ざす中小企業、かたや国内屈指の大企業とその企業規模にこそ違いはあるけれど、創業して100年以上、北海道が人の手によって開拓されてきた歴史と同じ期間、企業として存在し続けてきた。一説に企業の歴史が30年と言われたのも今や昔、ごく最近では長引く景気の低迷とビジネス環境の猛烈なスピードの変化もあって、更に企業の寿命は短命化している。地域の歴史をその社歴を同じくするというのは並大抵のことではない。
浦支社長のお話を聞きながら、サッポロビールという会社がいかにその長い期間、北海道の住民に愛されてきたのか、そしてまた、企業としてその北海道という地域に特別な思い入れを持ち、その戦略に明確に組み入れていこうとしているのかを知ることができた。マスメディアからソーシャルメディアに主たる情報伝達ツールが変化しようとする中、大量の情報シャワーで多くの国民に周知を図るより、その企業や製品がもつ価値観を真に理解し得るコアがファンを持つことが、これからの企業や商品、サービスが長く存在し続けるための条件となりつつある。長く企業が存在しつづけるために、だれが自分たちの真の理解者であるのかを見極め、相互に愛しあえる、レスペクトしあえる関係を作る必要があるのだ。
近藤染工場の朝顔が、大事に社員の手によって手入れをされているのを見ると、いかにこの企業が界隈に愛され、好かれているのかがよくわかる。そして私たち道民はなんだかんだ言ってサッポロビールを好んできたし、企業も5年前に東京本社とは別に北海道本社を置くという組織改革でその支持に応えようとしている。もちろん他社の北海道における激しい追い上げに対抗するための地域戦略という側面もあるのだろうとは思うけど、単純な道民としては、特別扱いというのはけっして悪い気分じゃない。
私たちはその経営のバックボーンたる北海道や旭川のために何が出来るのか??地元を愛することなくして、私たちがこの地域の人たちに愛されることは決してない。近藤染工場さんやサッポロビールのように100年を超えて地域に愛されるということは、そんな単純なことではないのかもしれないけれど、まずは旭川、北海道!と大きく掲げる前に私たちアイリンクが少なくとも5年以上お世話になってきたこの1-8界隈から、皆さんに愛されるために何ができるのかを改めて考えて実行してみようと思う。