冬生活モニター
1日から「カムイミンタラの伝道師」の事業で、 北海道の冬の生活を実際に一般住宅でショートステイによって体験してもらおうという「北海道冬生活体験」 が東京と千葉から2組のご家族に来ていただいてスタートした。
団塊の世代がいっせいに定年時期を迎え、かつて集団就職で東京を目指した時とは反対に「ふるさと帰農」の動きが活発化し、
「北海道移住」を希望する人たちは首都圏でも相当数増えている。
ネットで検索してもらうとわかるが、団塊の世代に限らず、北海道にもうすでに移り住んでいる人たちはたくさんいるし、
ボクがこの事業に取り組む原点になった、トマムでリゾートの人事を担当していた頃、最初は単にリゾートでアルバイトのつもりが、
都会にはない地域の生活の価値に気づき、そのまま移り住んでしまう連中が少なくなかった。
※写真は直接農家から滞在期間中のお米を買う、冬生活モニターの羽田さんご夫妻。お米は北海道米「ほしのゆめ」。もちろん精米したて。
総じて北海道の経済を語るとき、その基盤の弱さ、支店経済といわれる独立性の欠如は今さらボクが語るまでもなく、
だれもが認めざるを得ない話。しかしながら、子育て環境、身近で大きな自然、ゆとりある老後、余暇の多様性、安全、安心でうまい食、
快適な通勤、ビジネス環境など、都会では得ることのできないものに価値を感じ、ここに移り住んでくる人たちは、
その価値を持続させるための今後の地域社会にも積極的かつ前向きな人たちであるはずで、そんな人たちが少しでも増えるなら、この人口減少、
縮小経済の時代、私たちの住む地域が経済的に自立しえる大きな力になるはずなのです。
現実にはそういう想いをいだいて北海道に移り住んで来た人たちにも、いわゆる閉鎖的な地域社会の特性になじめなかったり、
憧れの住宅を手に入れてもその土地がいわゆる「農地」関連のトラブルを抱えた土地だったり、結果、
移住生活そのものに失敗してしまう例も決して少なくはない。
ボクたちは北海道移住を考えるすべての人たちに失敗しない移住生活を実現して欲しいし、結果、 移り住んで来た人たちとのつながりでいわゆる「都市農村交流」が活発化し、地域活性化に向けて少しでも役に立つことができるならと、この 「カムイミンタラの伝道師」事業をスタートさせた。つまりはそれがボク達自身の今の価値観を維持することだし、 その価値を満足させる地域を持続させることにつながるのだろう。
自分たちの暮らす地域の持続性を保つために、自分たちが主体になって取り組まなければ、もはや行政が何かしてくれる時代ではないし、 地域の将来展望は描けない。今回、お越しいただいたモニターの二組のファミリーにも、そんな地域社会の将来を担うべく、 是非冬の北海道生活への不安を克服し、この大雪山のふもとの地域に移住してきてくれればいいなあ、と考えているだ。
※今回モニター参加していただく羽田さんご夫婦と横山さん親子。横山さんの小学生のお子さん二人は2日から地元の小規模校に体験入学。 1日のささやかな歓迎会のヒトコマ。