裁判員制度全国フォーラム
東京から帰り、やはり朝の冷え込みに北海道を感じつつ、今日は大雪クリスタルホールで行われた
「聞こう話そう考えよう 裁判員制度全国フォーラムin北海道 旭川会場」にパネリストとして参加。当初、
申込みが低調で50名くらいしか集まっていないと聞いていたのだが、締め切りを延長してのPRが功を奏したのか、
会場はほぼ定員の300名近い人々で一杯の状態。この制度への市民の関心の高さが伺えた。
裁判の仕組みについて30分程度のビデオを見たあと、裁判官のワンポイント解説などがあり、その後、パネルディスカッションへ。私を含め、
旭川大学の山内学長、旭川NPOサポートセンターの森田さんの3名のパネラーは一般市民を代表してこの制度への不安や疑問点などを裁判官、
検事、弁護士などの司法の専門家に聞いていただくという役回り。道新の旭川報道部長、三塚氏のうまい進行もあって、
中味の濃いディスカッションになったように思う。
私は当初、すべての刑事事件について、裁判員制度が適用されるのかと思っていたのだが、適用されるのは一部の殺人、強盗致死傷、 身の代金目的誘拐など、 重要な事件のみであり、 昨年度の旭川地方裁判所管内で該当する裁判は17件のみということで、 この割合から考えると人が生涯に裁判員に選ばれる確立も決して高くはないこともわかり、ちょっと安心した。もちろん、 自分自身としては選ばれてしまったなら、キチンとその役割を全うしたいと思うが、現実として今のような立場でどのくらい時間が割けるのか、 不安な点も多いゆえ、この程度の割合であるならばある意味、選任されてしまったならやむをえないという感じがしたのだ。もちろん、 裁判員になることで、現状のその人の生活やその人の所属する企業が不利益をこうむらないような仕組みづくりは必要であると思うが。
また、この制度の本当の意味での定着を目指すなら、裁判員が自らの思いをキチンと考え、伝えることのできるような、 例えばマスコミ報道のあり方とか、また、教育のあり方なども同時に考えていく必要があるように思う。この裁判員制度に限らず、 これからの時代、自分のこと、自分の会社のことだけを考えていればよい世の中ではないことはすでに自明のことである。自分の暮らすまち、 社会、国、そして地球環境など、私たちが生きるために必要なすべてにひとりひとりがキチンと責任を持つ、 そんな世の中こそ必要なのだと改めて考えた次第。
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