第32回 検索ワードで世相を語る時代 の巻
○いい加減にしろ! 迷惑メール
ネットがビジネスのみならず、個人の生活の一部に浸透してそれほど長い時間が経過しているわけではないと思いますが、
今では仕事もプライベートもメールと無縁な生活を送っている人は特定の世代を除けば、ほとんどいないのではないでしょうか?
特に携帯電話にメール機能が搭載されてからは、
相手の都合を気にしなければならない通話よりもメールの方が気軽で利用頻度が高いという人も多いことでしょう。
しかし、そんな便利なツールも最近激増するいわゆるスパムメールで本当に迷惑しているという人も多いでしょうね。
ちなみにボクの場合は1日に届くメールの半数以上はスパムメール。特にホームぺージで自分の連絡先をなんらかの形で公開している場合など、
この手のメールが送られてくる頻度がどうしても高くなってしまいます。
携帯電話の場合はこうしたスパムメールは、各電話会社でブロックしてくれるサービスを提供していますから、
一時より迷惑メールの話は聞かなくなりました。ただ、PCを利用した通常のメールについては、こうした迷惑メールは増える一方で、
一向に有効な対策がありませんね。昨年末くらいまでは、スパムといえば外国からのメールが主でしたが、最近やたらと送られてくるのが、
日本語の出会い系サイトやワンクリック詐欺と思しき類。「お久しぶり!」「先日はどうも」とか、親しい友達を装うものから、
「あなたは律子さんから指名されました」とか「特別認証コード」とか、特別に選ばれたように装うものや、ズバリ「私とHしてください。
本気のお願いなの…」とか、まったく、おばかなタイトルで日に何十通と送りつけてくるのだから、受信する方もうんざりです。
対策としては、スパム対策機能付のメールソフトを使うとか、セキュリティソフトを使うとかということになるのでしょうが、
これらはすべてを完璧にブロックしてくれるわけではないので、少なからずばかげたメールタイトルを目にすることになり、
しばらくはこうしたおばかメールに苦笑する日々が続きそうです。
ネット上の流通するメールの実に半数はこうしたスパムメールが占めているとの話もあり、
こうしたメールの流通のためにネットワーク資源が無駄遣いされているとするならば、業界をあげた早急な取組が必要でしょう。
○検索語が語る世相
さて、メール同様、今ではWEB(ホームページ)の利用も実に一般的になりました。通販やオークションなどのショッピングや、
ネットバンキング、近くのお店や飲食店、美容室や病院の検索、市役所や官庁などの行政情報の閲覧など、
ちょっとインターネットで調べてみるという使い方は随分気軽に行われるようになりました。
毎年12月になると流行語大賞や今年の漢字など、その年の世相を表すイベントが多く開催されますが、かつては、ベストセラーや人気マンガ、
広告や長者番付などが世相の鏡と言われていました。今ではインターネットの検索語が世相を知る重大なファクターとして注目されるようになり、
先日、YAHOO!JAPANの検索ワードランキングが発表され、各一般メディアでも取り上げられています。
ヤフーで検索されるワードは1日に数十万とも言われ、Nielsen//NetRatingsチャネル分析レポートによると、
2005年10月のヤフーサイトへの家庭からのアクセス数は、約2600万人によって22億ページ以上にもなるのです。
かつて世相の鏡といわれたモノは間接的にその年の姿を映し出すだけでしたが、
インターネットの検索語はストレートにその年の私たちの興味がどこにあったのかを映し出します。
今年の結果から見ると、テレビ局へのM&Aが話題になった「楽天」や「ライブドア」がともに順位をあげ、イベント「愛・地球博」
や2ちゃんねるから生まれた「電車男」が昨年のランク外からランクインするなど、今年話題になった人や企業、
イベントなどが検索されているのがわかります。
ただ、残念ながら、発表されているのは上位50ワードまでで、昨年に引き続き、トップが「2ちゃんねる」だったりと、
検索上位が特定のWEBサービスに集中してしまう傾向があり、もう少し下位サイトまで順位を発表してくれないと、
なんだかわかりづらいなあという感じがしないでもないのですが…。
ただ、先にも書きましたが、10月の一ヶ月だけでも、月間2600万人が利用した検索データですから、
今の日本人が何に興味を持っているのか、指標としては無視できないものであることは間違いないでしょう。
興味のある方は冒頭のアドレス(http://docs.yahoo.co.jp/info/pr/release/2005/1201a.html)をご覧下さい。
○改めて検索エンジン対策を考える
実はこの10月からヤフーの検索に対する結果表示の方法が変わっています。従来は、ディレクトリ(登録サイト)
を優先的に表示する方式でしたが、グーグルと同様にロボット検索(WEB検索)の結果が優先表示するように変更となったのです。
最近では法人や商用サービスの登録はすべて有料となったため、登録サイトが増えず、
ヤフーの開設初期に登録されたサイトは内容が乏しいのにもかかわらず、依然として上位に表示されるなど、
必ずしもユーザーの期待する検索結果が得られなかった点を改善したのでしょう。
これにより、以前はヤフーのディレクトリに登録されることが、サイトへのアクセス増加のために重要な要素でしたが、
ヤフーがロボット検索を優先させたことで、検索ワードに対して該当ページを上位に表示させるためのSEO(サーチエンジン対策)
が改めてその重要性を増しています。ページタイトルの表現、被リンクの数、構造的HTMLの記述、スタイルシートの確認など、
それぞれの検索エンジンのアルゴリズムに合わせたページ構成のカスタマイズを進めるなど、
自社のサイトがそれこそ無数に存在するWEBサイトの中で埋没してしまうことがないように、
日々日常のメンテナンスがより重要になって入るのです。また、最近は個人ブログサイトの台頭によって、
ブログページのひとつの特徴としてこうしたサイトが上位表示されてしまうこともあり、
一般ユーザーにとって検索結果が必ずしも期待通りの結果にならない場合があるようです。
このような場合、キーワード広告(オーバーチュアやアドワーズ)を積極的に活用することで、
ユーザーの期待する検索結果をあえて作り出すことができれば、高いクリック率が期待できるようになり、
広告価値を高めることもできるでしょう。
このように、ヤフーやグーグルによる検索はもはや一般的に多くの人が利用するツールです。正しく、
御社のWEBサイトを広告価値の高いサイト、集客力、販売力の高いサイトとするための工夫を今一度見直して見てはいかがでしょうか?
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