第8回 Web-DBのメリットってなに?

前回までで一応、Web-DBを作るまでの基礎知識(与太話)をしてきました。
ちなみに、実際に作るとなるとあの与太話以上にもっとめんどくさい話が沢山あります。そして何より、一見すると非常にお金が掛かります。

たとえばWebサイトを100ページ程度作って、適当なホスティングを使えばレンタルサーバー+制作費でも標準的な物で、だいたい、1ページ二万円としてレンタルホスト+ドメイン取得を込みでもせいぜい250万円です。
ものにもよりますが、Web-DBであれば、DBソフト+インターネットライセンス だけで250万はたいてい超えます。さらにWeb-DB用のプログラムを一から開発すれば、総額500万だの1000万だのは楽に飛んで行きます。

そして、運用するための技術者の人件費!
なんちゃらマスターの「白金」なんかを頼むとそれはそれは計り知れないコストになります。当然、前回のように 安めのシステムもあるにはあるのですが。さて、そうまでして、このように金食い虫のWeb-DBを作るメリットはなんでしょうか?

それは、そのサイトを使った人の挙動を蓄積できるという一点につきます。「普通のWebのログでもユーザーの挙動が分かるじゃん」という人。
正解です。別にログを解析すればある程度は分かるのです。ところがもっと深いところ、すなわちユーザー個々人の挙動を多角的に分析するという時に、単なるログ解析では得られない相関関係を見つけることが出来ます。そうした解析で有名なところでは、「ブランデーを買う客はオレンジを買う」とか「週末に若い男はビールと紙オムツを一緒に買う」と言うようなルールを見出すことが出来ます。(これで、儲けを出したってんだからアメリカ人ってすごい)

そしてもうひとつ。そのDBをWebじゃないところでも活用できるという点です。
実店舗でのお買い上げの記録、電話でのお問い合わせの記録を、一緒のDBに入 れておけるので、簡単にその人の本当の全体像を掴むことが出来ます。電話で沢山の吟醸酒を買っている人が自社のWebに来たときに吟醸酒の情報を提 供したり、反対にWebでいつも純米酒のコーナーばかり見ている人に純米酒フェアのようなDMを出すなど実社会と連動したプロモーションを可能にします。

たしかに、どちらも別のところにデータベースを置いて、手入力なりまとめてロードするなりして、データベースを解析したり、統合したりも出来るのです が、それでは、タイムリーなお客への働きかけをするのが難しくなります。また、大量の顧客がその対象の場合や、実際の購買などをしていない潜在的な 顧客にたしての場合などにおいて、Web-DBは力を発揮します。

次回からは、この解析手法について、色々話をして行きたいと思います。だん だん専門用語なんかも増えてきて、分かり難くなるかもしれませんが、お付き合い下さい。----- EXTENDED BODY: