インターネットと市民運動
(この文章は私が、3年前(97年頃)に書いたものです)
古い話題で恐縮だが、
巻原発の問題というのがあったのを
覚えているだろうか?
この時、実はこの問題はマスでの取り上げられ方よりも、
インターネットで紹介された方が早かったようだ。
私も
インターネットで見た
のが先立ったことを記憶している。しかも、
反対派
の攻撃の最大の武器になっていたようにも
見える。
で、結果的には住民投票により、巻原発は白紙になり、
このインターネットでの市民運動が一躍脚光を浴びた。
また、同時期の
沖縄問題、
エイズ問題
しかりである。
確かに、耳の早い人などはインターネットで情報を
つかんだであろう。しかし、本当にインターネットでの
市民運動がその形を結んだものといえるだろうか?
確かに
公文氏
などが述べるようなネチズン等の活躍という
観点から見れば、その活躍のツールとして、役立ったとは
いえるであろう。
インターネットが市民活動の有力なメディアというのは、 時期尚早ではないであろうか。
それが証拠に、他のインターネット上で取り上げられている、様々な市民活動は、盛り上がりも成果も見せているとは
いえない。
特に最近は顕著だ。
インターネットが市民運動の有力なメディアであるなら、
これだけ当時と比べ、インターネットが普及しているのだからもっと成果なり具体的結論なりがどんどん出てきても
おかしくないはずである。
私が思うに、巻原発も沖縄も、所詮はマスコミを介した 市民運動の結実にすぎないのではないだろうか。 確かに、インターネットがマスに関わる人達に 情報を提供するチャンネルとして働いたのは事実だが、 それ以上でもそれ以下でもないのではないか。
インターネット上で、同じ夢が見れると思っている 市民活動家の皆さん。もう一度、巻と沖縄の結果を 導いたのは何だったのか考えてみては如何だろうか。
確かに純粋な個人の力の結集という、 今までとは違ったスタイルの活動の勝利ではあっただろう。 しかしその個人を本当に集めたメディアは何だったの だろうか。