個別活動も大事だけど戦略性も大事
僕が詰めてるわくわくセンターは、安城市の中の公園のとっても素敵な一隅にガラス張りの建物の中にある。
この公園、見本林的な性格もあって、様々な木々が植わっていて、様々な動植物が生息している。安城は、僕の住む一部地域を除けば、基本的に明治用水が引かれた後に開発された荒地だったので、ないところに新しい植物を植えていって作った公園という訳だ。
自然そのままではないとはいえ、こうした自然の営みを観察できる所も少なくないので、環境首都を目指す安城市としてはとても優れた教育ポイントだったりする。
が、残念なことにそうした活動でそれほど活用されては来なかった(ここ1、2年は頻繁に活用されているんだけど)。
実は、安城にもこういう立地を活用しようという努力がなかったわけではない。
その1つの事例が、秋葉公園-都市公園観察ノート(現在市のサイトリニューアルでダウンロードができません)だ。平成16年3月発行。かなり前の代物だ。
しかし、これは非常に出来自体は秀逸で、一般的な科学教育ツールとしてみても完成度は高い。作ったのはそこいらの地元ボランティア団体というから恐れ入る。当然今でも活用できる。なので、来館の小学生や親子連れには積極的に配っている。
大学もない田舎の人々が作ったとは思えない仕上がりなのは確か。身近なものを科学するツールとしてはこの上ない。
大学がやっている様々な地元に根づかない高度なネタを無理に突っ込んで、現実遊離の科学を紹介するだけの活動よりはよっぽど優れている(高度なネタを突っ込んでも現実遊離しない素晴らしい事例もあるんだけど)し、有名な○○先生の科学ショーなんざをするよりは、よっぽど優れている教材である。
地に足のついた科学体験とはまさにこのこと。
この本を持って、読みながら公園一周して書き込んで、自習するだけでもかなり役立つ。いい大人でも「なるほど」とうならせるものがある。
が、非常に残念なことに、この冊子、ほとんど利用されてないんだな。実はセンターの裏にもたくさんある。去年結構頑張って公園に来る親子連れなんかにも配ったんだけど、焼け石に水。
多分、この冊子作る予算は作ったけど、活用する予算を組んでないんだろうなと。結局2年も塩漬けってことなんでしょうね。ツールはツール。作ったツールは活用してナンボ。どんなにいいツールでも無駄になる。
何をするにも、戦略は常に必要なんだろうなと。とはいえこの辺、市役所には戦略的活動は期待できないので、観察にいい時期になってきたので、地道にセンターで配るとするです。