それはさすがに浅ましいだろう
仕分けの作業で、予算がなくなったスパコン研究者が派手に記者会見を開いていたんだけど、あの権威ある先生方に言いたいのは「さすがに浅ましいだろう」ということ。
正直、前にも書いたけど、国家の事業仕分けにおける知財関連の無軌道な削減騒動は、それ自体いただけないことだし、スパコンだけでも予算が復活すること自体はよしと思う。
でも、今回の知財関連の予算削減で最も問題なのは、次世代の知財メーカーとも言うべき若手研究者関連予算がばっさり削減されることだ。本質的に学にもとめるものが、目先の金になる知ではなく、金になるのが今後100年なのか200年なのか分からない未来の知を生み出すことにあるはずであれば、学の社会こそ、次世代投資こそが重要なはずだ。
若手たちがこんな状況なのに、いい歳して、「自分の飯の種返せ!」とステージで叫んでいる様は、浅ましい以外何者でもない。
むしろあんないい歳した研究者コミュニティのボスであるなら、あのステージで訴えるべきことは違うはずだ。スパコンという目先の研究をつぶしてでも、研究者の次世代投資こそが重要だ、というべき。
大体、どこの世でも、ボスの仕事は下を食わせること以外ない。下を食わせることこそが、ボスの存在意義だ。そのボスが、下を飢えさせているのに、俺だけ食わせろというのは、あまりに浅ましい。そもそも、あの世代の教授どもは、全部とは言わないけれど、研究費を国からもらう一方で、組合活動に現を抜かして、でその組合活動を支持基盤にしている政党が政権をとったら研究費を奪われたという話なので、自業自得以外なんでもないだろうとか思う。その自業自得を棚に上げ、恥ずかしげもなく、俺の飯の種よこせ、なんて良く言ったもんだ。
日本の年寄りってのは、年金問題にせよ、今回のスパコン騒動にせよ、次世代よりも自分が食うことしか考えないのかと声を荒げたくなる。いい加減、自分の浅ましさにまず皆さん気がついてください。その浅ましさの末路がこうなっているだけですからね。