HUBだけじゃシステムは動かない

とか書いたけど、ITのお話ではない。
最近、あちこちでよく聞くのであるが、産学連携コーディネーターという輩は相互連携して、地域間を越えた連携を生み出したまえい。という議論だ。
ま、私の方はお気楽コンサルタントだし、そったらしんどい商売をしていないのでそんなコーディネートなんぞ知ったことではない。
でも、大学やら官公庁に雇われている産学連携コーディネーターは、役割として現地にどかっと居座って(というか現地内を飛び回って)、地元のネタをつなぎ続けているHUBたるべきである。いわば地域内のLANみたいなものだ。
僕も随所で書いているが、地域内というのは、各地域でプロトコルが違う。(http://www.can.or.jp/archives/articles/20030830-01/とかhttp://www.0563.net/eco/column/funahasi_051209.htmとかを参照して下さいな。)
プロトコルがここまで違うネットワークをコーディネーターが電話一本で解消できるほど甘い代物ではない。産学連携コーディネーターだけで相互に連携を取れるという考えは机上の空論他ならない。各コーディネーターが地域内LANのHUBとして機能すればするほど、彼のプロトコルは地域に近づく。よって他地域と会話が成立しない。他方、他地域の人と会話が成立するようなプロトコルで活動しているコーディネーターは、はっきり言って地域内の邪魔者でしかない。パケットを無用に遮断する出来の悪いHUBだ。

では、こうした地域間連携は不可能か。というと、必ずしもそうではない。適切な変換者がいればいいのである。HUBだけでは、インターネットは出来上がらない。プロトコルを変換する人間が、現地を行き来し、その地域間の認識ギャップを埋める努力をする必要があるのだ。
ま、自己変換力のあるパケットのような特殊な代物である。ある種の中間子である。コーディネーターがこの役まで兼ねれるようであれば、地域のHUBの空洞化が起こる。プロトコルは日々変化が起きる。それを把握し地域を回すためにHUBは地域にいなければならない。

HUBだけで世界は回らない。ケーブルも必要だしルーターのような変換機も必要なのだ。短絡的に、地域を一様としてとらえて、電話一本でDBをチャカチャカ検索すれば繋がっていくと思っているお気楽な政策立案者にはあきれるばかりである。