ジャガイモの世界史―歴史を動かした「貧者のパン」

ジャガイモこそが歴史の「隠れた主役」、「陰の実力者」だった。大衆に寄り添い、世界を救った食物。それこそがジャガイモだった。(P.iii)

北海道人として、ジャガイモに関心を持たないわけには行きません。
例えばすでに既読のものでも

結局イモを食べてがんばった人が残って成功し、食わなかった人はだめでしたね(P.160、北の礎―屯田兵開拓の真相

なんていうのがあるし、男爵イモなんて名産品なわけです。そんなイモが世界史に位置づけて、どういうものかを解説した本です。なかなか面白くはありました。ただ、イモ関係以外のエピソードのほうが面白かったりします。

「この労働状態はどうにかしなければなりません。しかし、私一人の力だけではどうすることもできないのです。工員たちがもっと明るく強く、そしてよく働き、幸福な生活ができるよう、ぜひ倉紡の工場にきて研究していただきたい」(P.114、大原孫三郎、新進気鋭の医学士に)

人道とか正義とかを口にするのは簡単である。しかし、一方が勝者となり他方が敗者に追い込まれたとき、はたして勝者が人間らしく振舞うことが出来るかどうか。/私は右の老兵になにかしら尊いものを教えられたような気がした。(P.200「捕虜体験記」からの引用。シベリア抑留時に、きちんとジャガイモで恩返ししたロシアの老人について)

それにしても現代のイモ事情は国民として考えなきゃいけないんでしょうね。環境問題でも自給率の問題でも。じゃがいも、もっと食うか。別に金持ちじゃないしね。

「アンデス原産のジャガイモは暑さには弱い。今金男爵の未来のためにも温暖化防止じゃ急務です」(P.212)

食料自給率三九パーセントの「買い食い国家」ニッポン。このままではいけない―。(P.240)