氷川清話
元々は、書き物をする上で、登場人物が江戸っ子なので、江戸弁で記載したほうがいいよなぁと思っていたところ、知り合いの教授にこの氷川清話がいいのではないか、と薦めて頂いた物です。これ自体、当時の口語調で書かれたものなので、確かに参考になりました。が、結局書き物のほうは標準語ベースで乗り切ってしまいました。
で、そのときは内容はあまり気にとめなかったのですが、今回、再読して細々と気に入った節や言葉もありました。現代においても、訓話としていちいち納得できる事ばかりです。
ただ、それ以上に感じているのは、ここ数年、俺も似たようなこと言ってるよなぁ、ということです。で、最近の自分自身が抱えているそこはかとない違和感の謎も解けたような気がします。いや、私が勝海舟のように優れた人間だってことではなくて、あくまで、この本の内容は一線を退いたご隠居の戯言(たわごと)だということです。
戯言に価値がないということではありません。やはり海舟ぐらいの大仕事を乗り越えた人であれば、多少誇張や法螺が入っていたとしても、その戯言には千金の価値があります。若い我々世代が、その言葉に対して真剣に傾聴し、次の行動を決める参考にすべきでしょう。
ところが、まだ30ソコソコの若造が、こんな戯言ばかり吐いとっちゃいかん。ということです。それは如何に優れた先人の内容に近いとはいえ、やはり行動の時期は行動すべきなのです。
これを機に、口から生まれたといわれるほど戯言を言うのを止めて減らして、ちったぁ行動の人になるようにしましょう。