プロジェクトX 挑戦者たち〈3〉翼よ、よみがえれ

うーん。3冊読んで、結局好きになれないなぁ。多分、初読のときもそう思ったから、3冊で買うのが終わったんだろうなぁ。なんというか、僕自身の団塊嫌いの理由がハッキリする本だというだけで、あんまり建設性を感じれない。

「カンカンは、本間さんが飲めといった薬入りの牛乳を飲んだ。それだけで、本間さんという飼育係を信頼できる相手と認識していると、そのとき確信しましたね。」(P.49)

こんなのだってさぁ、どこぞの象を殺しちゃう童話ってそういうことでしょ。

そう、いろいろな苦労はあったが、みんな野球が好きだったのである。(P.142)

そう、あんたら好きで勝手にやったことでしょ。他者の賞賛がそんなにほしいの?たぶん、当事者はそうは思っていないけど、これ見て涙する爺どもって、自分はそうやって賞賛されたいんじゃないの?とか穿って見てしまう。

「基礎設計が固まっていないのに、モックアップなんてつくっても無意味だ」(略)「そんなことはわかっている。技術的な細かいことはこの際抜きにして、まず予算を確保することを考えるべきだ」(P.203)

で、結局、設計をつかいもしないモックアップで5500万円。で、引っ張り出した金3億。しかも税金じゃんか。自分の金で勝負するって発想はないのかい。そういう点では、非難轟々のほりえもんの方が、自分で稼いだ金でやるという観点で見れば、よっぽど素晴らしい。

「開発を行わずに技術を伝える方策を考えるより、航空機開発のチャンスをいかにしてつくり出していくかが、今日の航空機産業界のリーダーの大きな課題である」(P.255)

技術継承だけじゃダメって、わかってるんなら、やることやろうよ。ぼくらの世代にやらせてばっかりじゃなくてさ。年金でも何でも、もらうことばっかり考えないでくれ。どれも世紀のプロジェクトで役立つものだったのは認めるけど、そうして使い込んだ結末なんだろうが。