We are 宇宙兄弟 宇宙を舞台に活躍する人たち

「やりたくても誰もできんことは、僕らみたいな基礎研究者がやったらええ」(P.24、裏出氏)

ムックの総集編。植松さんが載ってるといっていたような気がしたので、買ってみたんだけど、他の方のインタビューにくぎ付け。研究者系は、うるっときますね。

「かみさんに、『患者さんに、今一番必要なのは希望でしょう。あなたが、それを与えなくてどうするの』と言われたんや。『無責任だと言われたとしても、発表して、可能性を示さなくてはいけない。リハビリしている患者さんたちに、とにかく伝えるべきだ』と。」(P.22、裏出氏)

「治療法のない病気に、白旗を絶対にあげない医者も、必要なんです」(P.183、青木氏)

この両氏のインタビューは思わず読み返しました。
真剣に、だけれどユーモラスな宇宙を使う人々。

「そのことを論文にして発表したんやけど、うれしかったなあ。あんまりにもうれしくて、論文をコピーして、駅前で配ろうと本気で思ったぐらい。大学院生に『変な人って思われるから、やめてください』と言われてしぶしぶ我慢した(笑)」(P.76、大西氏)

「若い時は、打ち上げ前に上司が神社に行くのを見て、そんな暇があったら衛星のチェックをしたほうがいいんじゃないのかって思ってました。いきがってましたねぇ。今は僕も行きますよ、神社に(笑)」(P.118、中川氏)

そして、メディアにかける期待が実は素直に、大きい。斜に構えてないインタビューが取れるのは、きっと著者の人柄なのだろう。

「僕がしたいことを、正しく、わかりやすく、あんたたちなりの方法で、たくさんの人に伝えてくれたらうれしいな」(P.16、裏出氏)

本気で仕事に取り組んでいる人は、自分のいる世界をより多くの人と共有したいと願い、そのための努力は惜しまないのだということも、知ることができました(そして、そういう人の話は例外なく面白いのです)。(P.187、おわりに)

宇宙兄弟な感じよりも、伝える仕事を真摯にこなす、インタビュワーとしての著者を読み解いている感じが、読者としては一番印象的な一冊でした。さらっと読めるので、一読を是非。

インターネットの仕事でも、周りにたくさん人はいただろう。でもそれは「仲間」ではなく、「部下」だったのではないだろうか。(P.42、堀江氏)

「本当にやりたいことならば、悔しいと思っている時間がもったいないですからね」(P.64、植松氏)

「科学は、あなたが生きていくために『必要なものなんだよ』というところまで踏み込んで教えなければいけなくなってきている。」(P.101、黒谷氏)

「巨額のお金、しかも税金を使う仕事ですから、必ず成果の上がる開発をしなければいけない。」(P.106、中川氏)

「待ってるだけでは、ものごとは進まないんですよね。」(P.156、吉田氏)

"サポーター"を増やせたらなと思っています。1000円でも1万円でもいいので、出資することでこのレースに関わってもらいたい。(P.165、吉田氏)