特攻 外道の統率と人間の条件

「彼らがもし今に生きていたならば、必ずや日本のために大いに働いたであろう(中略)そのような若者たちを死所に追いやったわれわれは大いに責められてよい」(P.205)

日本という国は今でもこういう傾向があるんじゃないんだろうか。いや、我が身に変えて敵を殲滅するため突撃すると言う事ではなく、その自爆行動や危険地域に、未来ある若者を積極的にあてると言う事だ。そしてもっといえばその事になんら羞恥を抱かぬ人間が多いのではないかと。
まさに、バブル期からの経済復興でも原発への対処でも、

「この危機を救いうるものは、大臣でも、大将でも、軍令部総長でもない。もちろん、自分のような長官でもない。それは諸士のごとき純真にして気力にみちた若い人びとのみである」(P.16、大西中将訓示)

というとの五十歩百歩の、訓示なり会見なりを腐るほど聞いている。正直読んでいて薄ら寒くなる内容の本だ。特攻という特殊な状況下の特殊な出来事の話の本ではある。しかしながら、日本という国そのものが現代においても「統率の外道」で成立しているのではないかと。少なくとも私達が壮年になったときには、そういう統率の外道はしない民主主義社会・資本主義社会の構成員たるべしと、未来のために真剣に思う。

「こんなことをせねばらないというのは、日本の作戦指導がいかにまずいか、ということを示しているんだよ。なあ、こりゃあね、統率の外道だよ」(P.17、大西中将)
勝っているのであればわざわざ航空機を増産する必要もなかろう、余ったアルミニウムは横流しすれば儲かると言うのが、いつわらぬ資本の論理であった。(P.84)

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