自分の仕事をつくる(再読)

いつでも、どこでも、誰とでも働くことの自由を、自分自身の力で獲得すること。(P.270)

究極のところで、僕が職業人として求めていることは、このワンセンテンスですべてなのだ。この本は、経営者仲間から紹介頂き、前文の素晴らしさに惹かれ、何度も読み返した一冊。前文は、こう締めくくられる。

この本は働き方をめぐる探索の、小さな報告書です。(P.13)

こういう働き方を、是非これからの社会に出てくる人たちには、してもらいたい。そんな事例だらけだ。社会人となって、一敗地にまみれることもあろう。しかしながら、忘れてもらいたくない原理がたくさんある。

自分のための道具を自分でつくり、それを欲する人が増えることで次第にマーケットが育ち、仕事として成立する。(P.162)

思いっきり単純化すると、「いい仕事」とは嘘のない仕事を指すのかもしれない。(P.180)

この辺は、社会に出て、そしていつまでも忘れて欲しくないことだ。市場だの消費者だの小ざかしい用語に踊らされてはいけない。そして、仕事の本質に関しては

そして自らの仕事を外に託して人生を空洞化させている私と、そこから切り出されたどこかの誰かのための仕事をこなしている私は、同一人物だ。(P.197)

企業社会における経済活動の大半は、経済のための経済であり、より多くのお金を引き寄せるために仕事が重ねられる。しかし本来お金は、人間同士が交換している様々な価値の一時的な代替物に過ぎず、それ自体が目的ではなかった。(P.73)

のように、何のための仕事なのかを見失ってはいけない。しかし、同時に社会の変革がある。

人が時間と貨幣を、貨幣と時間を交換するアイディアを得た頃から、時間のかかる仕事は効率化を迫られる(P.49)

し、仕事そのものも、

ワーカーが能力を売っているというより、会社が仕事を売っているのである。(P.268)

という風に変わってきている。自分を磨き、

つくり手の観察力が低ければ、なんでもすぐに完成する。「できた」と思えるからだ。(P.30)

こんな風にならないように頑張らねばならない。そして仕事の仲間に対しては

「いずれにしても、その人が持っている能力に気付かずダメにしてしまったら、俺の失敗ですよ」(P.107、ドラフト宮田氏)

「いい仕事をしろ」という前にすべきことがあるし、それを言ったところではじまらない。そもそもいい仕事をしたいのだから、そのための阻害要因を取り除き、力づけるのがマネージャーの仕事なのだ。(P.257)

という姿勢で臨みたい。というか、今日、人生12年迎えた娘に、何歳だかのハローワークもさることながら、この本も読んでもらいたいと、掛値なく思う。

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