下流志向

変な言い方ですけれど、かなり努力しないとそこまで学力を低く維持するのはむずかしいと思うからです。(P.20)

最近、この本で出てくるような現場に遭遇しました。長年講師を仕事の一部としてきましたが驚愕でした。学ばない、だけではなく、退出していいよと言っても退出しない、という現象を目の当たりにするともうどうしていいか分からなくなります。

大雪経営塾の課題図書、ヒューマニング連続講座の推薦図書として選定させていただきましたが、この事態の深刻さは、きっと教育の現場に足を運ばないとみえないかもしれません。難しいことに、経済原理で教育の現場の問題を語っても直らないという現実と直面せざるを得ないということです。
抜き書きごとに解説はしませんが、ことの深刻さを正しく認識できないと未来はかなり恐ろしいです。是非一読いただきたい書籍です。

「先生、これは何の役に立つんですか?」(P.39、小学一年のひらがなの授業で)

子どもたちは就学以前に消費主体としてすでに自己を確立している。(P.45)

子どもたちは消費者マインドで学校教育に対峙しているのです。(P.59)

子どもたちが生涯の最初に「貨幣」として認知するのは、他人が存在するという不快に耐えることなのです。(P.63)

市場は命まで取ろうとは言わないからです。(P.112)

リスクヘッジというのは1人ではできないこと(P.117)

弱者が弱者であるのは孤立しているからなんです。(P.239)

彼ら(ニート)は経済合理性に基づいて、等価交換原則に従って、学びを拒否し、労働を拒否しているわけですから、経済合理性と等価交換原理が世の中の最終的真理じゃないということを彼らに実感させる以外に打つ手がない。(P.)

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