やっぱり、北大の先生に聞いてみよう

みなさんは年金をもらうときに社会保険事務所にお礼をいいますか?(P.110)

ふつう言うでしょ?それはどんな立場のどんな人であってもその業務に敬意を払って、それを適切に実施してくれた相手に対してお礼を言えないようなやつは、地域政治を語る以前に人として失格だと思います。
なんというか、個人的にはこういう感覚の積み重ねの本なので、あまり性には合いません。
とはいえ、大雪経営塾で課題図書になったおかげで読む機会のあった本ではあります。

今、日本は明らかに小さな政府、小さな社会です。(P.37)

これなんかは、はぁ?とか思うわけです。少なくとも日本国憲法は25条と89条に定められている状態に置いて、どう逆立ちしたって大きな政府であることを強制されているのです。それに充実感を感じられないのであれば、それは国民の中にあるフリーライダー的生き方が増進しているだけであって、実入りなくサービスだけ向上させることに限界をきたしているにすぎません。

「よい品をどんどん安く GOOD QUALITY BEST PRICE」(P.40、ダイエーのキャッチコピー)

これはむしろ「へー!」って思ったんですけど、別に安く、なんて英文では歌っていないわけです。あくまで、最善の価格。「最善=安く」というのは勝手な解釈論でそれに踊らされたにすぎません。

北海道みたいに土地が広くて人が少ないところだと、どんな政策をやったところで費用対効果は悪いに決まっている。(P.102)

地域に根ざした資源というのもはそこから動かすことができない。(P.132)

ローカルな問題は単にローカルで消費されるべきではない(P.178)

このへんは当たり前だし、自分もグローカルベンチャー論をはじめ、地域間連携による地域課題の解決なんかもずっと言ってきて、取組みの支援をずっとしてきています。今更さかしげに言われても。という感じ。
ただ、最後の栗山町議会へのインタビューは秀逸でした。

「私たちは迷っているんだから」と。(P.210、栗山町議会事務局長、住民直接投票について)
「議会は住民の意見を聞いて、それをもとに首長の考えを変化させていかなきゃならない」(P.212、栗山町議員)

こういう姿勢を地方議会に持ってもらいたいなと思わせては頂きました。