硫黄島栗林中将の最期

<いよいよ戦死の覚悟を決めたとき、おそらく主人は、戦後の混乱を心痛しつつも、必ず日本は、よりよい国として再起すると信じて、逝ったことと思います。犬死になるか、否かは残された私たちの責任ではないでしょうか。そう思って、私はジッとこのことばにたえました>(P.92、西婦人、西の死を犬死といわれ)

 他人の親族を犬死呼ばわりは、ひどいにもほどがあるでしょう。そしてそれが犬死になるかならないかは残された僕ら次第。でも、日露戦争以降のこの国は、そういう社会に対する責任感を持ってしっかりとした国家としてのアクションを取らない国になっています。
 戦争だけではなく、災害でもそう。関東大震災から学べば、北海道南西沖地震から学べば、広島や長崎から学べば、という事態ばかり。そして学んでいないし、東日本大震災からも下手をすれば学ばない。この国はどうなってるんだ、と。
 ちなみに、この本は「散るぞ悲しき」の続編的な一冊。取材したけど本にする時にこぼれた話題を丁寧に拾って、また違う角度で、硫黄島を考えさせる一冊です。とにもかくにも、反省しない国民ではない人間になるためには、まずは他人の親族を犬死呼ばわりする前に、その犠牲を犬死にしない新しい社会づくりをしっかり考えましょう。

銀ネムの木木茂りゐるこの島に五十年(いそとせ)眠るみ魂かなしき(P.168、皇后)

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