その科学が成功を決める

ここで読み取るべきは、一皮むけば私たちはみな思っている以上に浅はかだということかもしれない。(P.138、相手に触れる力)

いや、面白かった。成毛氏のBLOGでこの本を発見したのだが、その紹介が面白そうだったのでつい買ってしまった。はっきり言って、この手の本はまず自分では買わない。いわゆる自己啓蒙書。でも、これはちょっと違う。徹底的に原著論文に当たり、その論文の結果を解説している学術解説書でもある。実に愉快。
内容的にはまともなんだけど、なんというか、「水はなんにもしらないよ」の自己啓蒙版。似非科学が横行しているって意味ではおんなじような業界だしね。なんでも結構なので、自己啓蒙大好きな人は、象のお話を聞く前にこれを手にとって見てはいかが?

「ちょっと待って。大人はいつも子どもに嫌なことをさせようとするとき、ごほうびの話をする。いま、大人は金メダルをくれると言った。だから絵はきっと嫌なことなんだ」(P.42、「ごほうび」がやる気を奪う)

いずれにせよ、研究結果から読み取れることは明白だ―完璧な世界を夢見ても、気分は良くなるだろうが、夢を現実に変える力にはならない。(P.80、イメージトレーニングは逆効果)