有法子―十河信二自伝
すなわち社会事業というのは、万人に適当な職場を提供することが第一義であるということを悟りました。(P.213)
元国鉄総裁の自伝。明治の都市基盤を作り公民館活動の父ともいえる後藤新平の薫陶の篤い方だったようで。どう読んでも明治の人って感じの本です。良し悪しはさておき、傾聴すべきところは多々あります。とはいえ時代とそぐわないなというのも数か所あって、
多勢の人がチームワークをする場合には、一定のワクの中で行動させることが必要であって、全然のほうずに各人の自由意志による行動などを許しては仕事にならぬばかりか、とんでもない結果を招来する恐れがあります。(P.23)
なんかは、経営の未来のいうところのものとは合致しておりません。まぁ、時代背景等々を考慮すると実に読みごたえはあるかと。