新撰組顛末記
死生のあいだをくぐること百余回、おもえば生存するのがふしぎなぐらいの身を、大正の聖代まで生きのびて往年の敵も味方もおなじ仏壇に朝な夕なのとむらいの鐘の音をたたぬ。(P.231)
本当に、よく生き残った関係者がいたもんだよな。生き残ったって普通に考えれば罪人で殺されそうなもんだ。新撰組の永倉新八。彼のその後のインタビューをもとにした新聞記事をまとめたもの。
内容は読む楽しみということでタッチしませんが、生き残った後、北海道に渡ってきて、樺戸監獄で剣術師範をやって、小樽で余生を送ったそうな。いやはや、人の生というのはわからんもんです。ある面で、榎本武揚とも、勝海舟とも異なっていますが、幕府側の人間の末期ってのはどの方も数奇なものです。