感じない子ども こころを扱えない大人

「感情よりも効率」「テキパキと進めることが大事」という、仕事の世界であたりまえになっているものが、家庭のなかにも持ち込まれ、当然のこととなっているのが、日本社会の現状だ。(P.64)

まさに、これこそが日本の諸問題のように思う。色々な教育講演会の類を聞いても、結局ここに行き着くんじゃないんでしょうか。
家の中や地域社会まで、企業のように運営する必要はない。あくまで、人のつながりを確保するための、非効率なお祭りの繰り返しだって全然いいと思う。
この効率第一というのは、あくまで職場で効率第一にするというだけのことで、そこの部分以外までその論理に付き合う必要はない。僕自身は効率第一は好きだけど、だからと言って非効率な繰り返しを全ての場面で悪いとは思わない。ある意味で、そう思い込まされてしまうとアウトだし、人生全部を仕事にするのは個人の自由だけど、仕事のように他人に生きよというのは愚行この上ない。
そういう社会をどう作りましょうかと、考えさせられる一冊ではあります。