忍びの風
「頭領も何もない。二人きりで、天下の事を決めるつもりではたらく。おもしろいではないか」(1P.274)
さすがに、蔵書が終わったとは言っても、実は、まだ本棚には、連続巻のもので歯抜けのものが時折あって、そいつを出張のときに買い足して新幹線や飛行機で読んで行く事にするのです。で、まぁ、なぜか1巻がないこの本がその歯抜けシリーズのトップバッターということで。
それにしても、この主人公。年上の女の色香に惑わされて、うかっと組織をやめてフリーランスになってしまって、スキルは有れども理念が無く事業の方向性をうまく見いだせず右往左往する人なんだよね。こうやって、現代語風に直すと、どっかで聞いた人間の話のような気がする(^^;
話的には、抜け忍ものはしりとも言える歴史娯楽小説とでもいいましょうか。いくら歴史小説が歴史を舞台に架空のお話を無矛盾に構成することが大事と言っても、これを読むと歴史が舞台の娯楽小説という感じでスパッと歴史小説に分類していいのやらという感じ。
個人的には3巻もあるけど、そんなに読み応えは感じませんでした。その分、軽く読めるという言い方も出来ますので、好き好きの本だと思われます。