ガリア戦記

それには二年で十分と思い、三年目に出発と法で決めた。(P.25、ヘルウェティー族の決議)

へぇ、そんな先々の侵略戦争をやることを法で定めていたというのは驚きです。大体やるときめてから承認を得るのに議会に提出ってのが、昨今のトレンドのような気もします。というか、3年も先のことはわからんぞな。

さて、本書は
「すぐれた書物というものはそれについてどんな苦労をしてもそれだけのしがいがある」(P.9、解説、史家モンゼン)
と昔の史家に言わしめた、名著。余計な記述がない分、淡々と読めるんだけど淡白すぎて飽きちゃうかも。もう少し、登場人物の書き分けとか部族の書き分けとかしてあると読みやすいよなぁ。といっても侵略戦争をやってのけた、カエサル自身が書いたのでそんな文学的なことを考えているものではないんだろうな。
まぁ人類の歴史の一部を見る上で一読する価値はあるかな。

自分の領地を保てなかったものが他人の領地をとるというのは穏当ではない(P.125、ゲルマーニー人へのカエサルの言)