ディズニーフェアリーズ―プリラの夢の種

変なことしている、みつかったらしかられると思っていたことが、プリラの夢の種だったのです(中略)。でも、プリラの夢の種はプリラにとってあたりまえのことでした。(P.180)

子のら(上)が貸してくれた本。読め読め言うので、読みました。意外と面白かったです。
基本は、人の役にたつ才能は万人にあるというコンセプトと、なくても夢の種が成長すれば才能になるという考え方。確かにそれは人の世であってもその通りでして、とはいえ、妖精の世界では生まれた時から役立つ才能があって、万事協力し合うのが当たり前というなか、人の世界は夢のタネを育てていくことがあるので、その辺の差異を浮き彫りにしていてとても面白いです。
実は、大人の社会って、これで描かれている妖精の社会なのかもしれません。
そういう意味では、ありがとうや、はじめましてをちゃんとしないと、本当に妖精の世界であって人でなしの世なのかもしれません。
子どもの本とはいえ、なかなか考えさせられる一冊でした。

知ってました?赤ちゃんのはじめての笑い声が妖精になるってこと。(P.7)
「ここは、人間の世界みたいに、はじめましてなんていわないのよ(中略)。あなたの才能を発表して」(P.19)
「だれかのために何かして、だれかに何かしてもらうの。だから、お礼なんていわないの。お互い様なんだから」(P.24)
「才能じゃなくても、夢の種でいいんです。小さな......」(P.43)
夢の種がないことより、そのために友達ができないことが悲しかったのです。(P.72)
夢の種がなくっても、できることはあるはずでした。(P.124)
夢の種が一つもない私でも、生まれてまだ4日しかたっていない私でも、みんなが誇りに思ってくれる。(P.131)
「あんたがやってよ。なんの役にもたってないんだもの。これぐらいやんなさいよ」(P.138)