おもしろくても理科

わかったでしょう。/なあにい。まあだわからんだとお。/泣けてくるなあ。(P.25、慣性の法則)

泣けてくるよねぇ。よく分かるよ。分かろうという姿勢すら持ってないどころか、分からないようにしようという積極的な姿勢を持っているような相手に物をわからせるのは至難の業。その辺の区別が

それは、理科がわかるか、わからないかという区別である。(P.10、慣性の法則)

という、日本の不思議な科学音痴の源泉なのです。困っちゃうよね。それを深刻にならず笑い飛ばすという勇敢な企画が本書。

何を食べたのか、おいしかったのかどうか、さあ憶えてまへんなあ、という、日本の政治家のような動物である。そういう動物にとっては、過去はないのと同じであり、常に今生きているだけなのだ。(P.46、時間よ止まれ)

挙句にここまで笑い飛ばす。まぁ、確かにそうだ。今日日の環境問題も本質を突いている。古い本なのにね。それだけ、理科音痴が多いってことなんだろうな。

実は地球のことを心配しているのではなく、人間のことを心配しているのだ。それが当然なんだけどね。(P.187、地球くんの履歴書)