恨ミシュラン〈上〉

「アハハッ、地元の人がきたらだめだって。この売り場は」(P.274、サッポロファクトリー)

あはは、昔のバイト先が叩かれてる。でも、普通に地元じゃみんなそういってたもんなぁ。合言葉のように。
何故か上しかありません。ミシュランの恨み版ということですが、食い物屋以外も結構やられています。でも、基本としてはバブルの名残を叩くというところが基本のようです。バブルの美味しい思いを出来なかった僕ら世代にはある意味痛快です。なんたって

まあまあおいしいからという理由だけで、デート場所に選ぶならそれは清貧ではなく単に「貧」。(P.128、丸福、春木屋)

という、貧しい世代ですので、

ひと組のカップルがクリアしなければならない「思い出づくり」はおびただしいものになる。この時代、恋人同士をやるのはなかなかに大変なものなのだ。(P.49、セラン)

こんな苦労はありませんし、

たかが料理に靴一足が買えるほどの大金をはたくとは堕落した人間のすることではないか。(P.78、天竹)

こんなものを食べに行ったことはありません。とはいえ、

店は常に客の懐をきれいさっぱり掃除してやろうと狙っているのであり、客の側はゆめゆめサービスをチェックする眼にぬかりがあってはならない。(まえがき)

というのは、この不景気でも真実ですし、さらに言えばこういう状況なわけです。

混乱の中では、案外と、健全な商売しか通用しないものである。(P.167、SIAM)