風花の里

「あの人は私に希望をくれました。理屈じゃありません」(P.176)

一生懸命生きていれば、実はこういう人は一人や二人誰でもいるように思う。僕もいるもんな。それなりに。他方で気がつかないうちに、そういう希望をあげるほうの人になれたらなとか思うわけだ。

いい人でなければ何の利益もない子供に親切は施さない。(中略)私もさり気なく親切を与える大人になろう。(P.48)

こういう大人になれればなおいいと思うし。実際にそういう親切を受けたことがあるから、自分もそうしたいと思う。する場面がないけど。
さて、この本にいたっては、前6冊の本の差分ファイル。6冊読んで未だキモチ悪い人向けの本。ストーリーとしてはもう何もない感じ。前6冊の世界に完全にへばりついている。7冊一気に読む気があるなら、まぁ止めはしないけど、話の面白さとか心理トリックとかに惹かれたのであれば、読む意味はないかな。彼女の人生観に惹かれたのであれば読む価値はあるか。
その辺、だらだらと引用しておく。

父母は、信用してもらいたいだけで解決してほしいとは言わない私に淋しそうだった。すでに親から独立し、自分がかかえる問題との狭間に己を主張していた。(P.14)
人生すべて糸車。悪は悪を紡ぎ善は善を紡ぐ。(P.20)
どうもしないけどいつかもう一度考えてみたい。きれいな服を着た子に二つもあげて汚ない服を着た子に一つもくれなかったことを。(P.34)
親切は施しすぎると逆効果。(P.36)
「わしは自分自身のために信念を貫いてきた。だから腹が立たなかった」(P.38)
「子供の方がよほど正常に人生を見きわめてますよ。一方的に我々の責任と立場で処理してしまえば教育は善悪を殺して矛盾の哀しさだけを教えてしまいます」(P.42)
何が幸せなのかはやっぱり誰にも決められないのだ。まして憎しみだの淋しさだのと勝手に判別してはならない。(P.69)
要は見栄でなく、どれだけ人生を努力するかに価値がある。(P.100)
「人間は大人になるほど他人さまとの和を大事にしなきゃいかん、それが徳というものだ」(P.152)
「一緒に泣いてたら沈没だ」(P.206)

最後に、今の自分の気持ちかな、というところで以下引用。

私もそろそろ生き方の拠点を定めたい。(中略)他人がどう見ようと世間にかんがみて差引勘定が合おうが合うまいが、正しいのは自分だと信じてたゆまない努力を重ねているから。人生は自分のためだもの。好きにやって損はない。そうしたならばかならず道は開ける。(P.184)