エヌ氏の遊園地

躊躇逡巡中途半端は最悪の道。(P.219、夢と対策)

そういう意味では、この作家にはそういうところは感じないわな。
色々な作品集の中でも、実はコレが一番ライトな笑いの集大成に思える。この作品集以外はなぜか少しづつ星新一の思想が透けて見えるように思う。なぜかは分からないけれど、この作品集だけ不思議なぐらい、オチにこだわっている感じがするものも少なくない。そういう点では

たくさん書いてきたが、古典となって残るのはないだろう。しかし、民話としていくつか読みつがれれば、これ以上のうれしさはない。(P.272、あとがき)

となるように思う。でも、以下2作品は初読の感想と今の自分に照らすと、何とも自分も変わったもんだとか思う。上は当時意味が分からず、下は納得していたもの。で、今はその逆。生活環境とは恐ろしい。

危険な年代と呼ばれようが、いっこうかまわない。親ごころ以上に強い力が、この世の中に存在するだろうか。(P.71、危険な年代)
「女性に熱をあげると、第一に勇気がくじける。第二に、頭の回転が悪くなり、的確な判断が下せなくなる。第三に、力が充分に発揮できなくなる」(P.176、女性アレルギー)