おせっかいな神々

思い残すこともないほど飲むとなると、こんなに飲むものか。この支払いのためにエフ氏はそのご何ヵ月もかかった。(P.105、権利金)

そんな飲み方してみたいもんです。しばしの休暇と大金が必要でしょうけど。
またまた、星新一のショートショート。この編纂の面白いところの一つは、この本のタイトル。ほとんどが収録されている作品から本のタイトルが決まっているのに、この本は、オリジナルでタイトルがついているんだな。意外。
それにしても、星新一って国家嫌いだよね。とはいえストレートに非難するのではなく、作品でウィットとユーモアでコケにするというスタンスは実にステキ。
書評にするには難しいけど、読む分にはやめられないショートショート。さて次はどのショートショート集を読もうかな。

「ひとが熱心にかせいだ金を、労せずして持っていこうという精神がよくない。だから、わしは税務署と泥棒は大きらいなのだ」(P.126、機会)
国家という殺し屋も悪くない。前金をよこせなどとも言わなかったし、すんだあとまで、つきまとおうともしない。(P.199、協力)