やっかいな関係
「おれ、ホンというものをさがすために、旅に出たい。いけないか」(P.73、ホンを求めて)
いけなくないです。いいことです。現代でも放っておくとこうなりそうです。青空文庫の国際国家バージョンなんか出来ちゃうと、先々不安です。
ちなみに星新一の自選集。どっかで読んだ話を集めたものなんだけど、そこはそれ、さすが星作品というのが詰まっています。
支配者の身勝手を笑い、大衆の愚かさを平然と愚弄する現代の落語。
「だからといって見のがしていたら、世の中がめちゃめちゃになってしまう」(P.45、どっちにしても)
「また、なんか起ってほしいですな......」(P.63、町人たち)
だけれども、その先には、伝説となる礎も。是非一読をと進めたいけど、本の体裁がでっかくて読みにくいのが欠点かな。
この作業をやると、作品が民話的になってゆく。夢物語。古びなくなる。(P.127、あとがき)