さまざまな迷路

ずるさという、人間だけが持つ天与の能力。これある限り、ロボットなど恐るるにたらずだ。(P.101、過渡期の混乱)

ずるさというものをAIが実行できるかどうかってのも、実は結構面白い研究なのではないかと思います。
星新一のショートショート集。これまたざくっと楽しめるショートショートばかりです。

「おとぎ話の主人公に人権なんかあるものですか」(P.57、しあわせな王女)

でも、近年の子供向けお伽噺では、けっこう内容を変更していてそのうち案外お伽噺の主人公にも人権が出てくるのではないかとか思う。

「映像とか幻覚とか―わしにはなんのことやらわからんがね―それらが流行し、みなホンを捨て、使わなくなってしまったそうだ」(P.66、ホンを求めて)

なんか、インターネット社会でそうなりそうな雰囲気。ともかく、星新一独自の切り口で楽しめる作品集です。

「人類に滅亡されては、あたしらの仕事もあがったりなんでね」(P.242、買収に応じます)