新編 風の又三郎
「私のようなものは、これから沢山できます。私よりもっともっと何でもできる人が、私よりもっと立派に美しく、仕事をしたり笑ったりして行くのですから。」(P.251、グスコーブドリの伝記)
新編 銀河鉄道の夜、注文の多い料理店に続いて一年越しでようやく発掘された風の又三郎。
ねずみ君シリーズもいいけれど、賢治の金字塔ともいえるグスコーブドリの伝記ははずせないし、当然その標題でもある「風の又三郎」も。不思議な転校生が題材の風の又三郎は柔らかな少年期の心を表す作品の代表的な童話なら、グスコーブドリは社会に生きる社会人としての大人のあり方を示す賢治の代表的な作品である。
お買い得の一冊。でも、そう考えると、3冊ともお買い得だから、まとめて買えばいいのか。
「そうだなぃな。やっぱりあいづは風の又三郎だったな。」(P.307、風の又三郎)