平治物語
ひそかに惟みれば、三皇五帝の國を治め、四岳八元の民を撫づる、皆是器をみて官に任じ、身をかへりみて禄をうくるゆゑなり。(P.15)
何度読んでも、日本の軍記ものの白眉です。個人的にはつらつらとトピックの多い平家物語より好きかも。平治の乱を中心に、保元の乱の後始末のお話ぐらいから、平家滅亡前夜ぐらいまで書いた軍記物。
非常に短いですし、古文とはいえ大変読みやすく格調高い文章なので、是非一読するべき本です。
夢にだにかくて三河の八橋をわたるべしとは思はざりしを(P.119)
それにしても落ち往くのはいつも三河越えなのね。