日本の美を求めて

まず、そこに住む人が、その土地の本当の価値を認識するということがいちばん大切だろうと思うのです。(P.82)

本当にその通りでございます。田舎暮らしをすると実にそう思います。開発なんかしている場合ではないかと。
日本画家の大家である東山魁夷の講演録。
作り手が論理的に美を解析しているってことはまずない。そういう典型的な講演。とはいえ、十分にうんうんと納得できる文章。風景の美しさの根源と言うのは、風景にあるのではなく見る自分にあるんだろうなと。

私は人間的な感動が基底に無くて、風景を美しいと見ることは在り得ないと信じている。(P.16)