武器よさらば

ぼくは彼女と恋に落ちるなどとは思ってもいなかった。だれとも恋になんか落ちたいとは思わなかった。それなのに、ぼくは恋に落ちたのだ。(P.133)

アメリカの小説は、ひたすら情景記述と心理記述の繰り返しで分かりやすいです。ちなみに、今はこの版は買えません。翻訳者も代わって武器よさらば (新潮文庫)で手に入ります。たぶん店頭でもそうかと。

名作なので、読む価値はあるのでしょうけど、恋愛小説としても戦争小説としても、今の人が読んで面白いと思うかどうかは、なんとも。それぞれ、小説が多数出回っているし、その人の好みに合致したものを探したほうがいい気もします。とにもかくにも、なんだか読むのに疲れました。

ぼくがここにいて監督をしてもしなくても、明らかに何の変わりもなかった。(P.22)
「国を支配している階級は、とんまで、何にもわかっちゃいないんだ。何一つ分かっちゃいない。だから、こんな戦争をやってるんだ」(P.74)
どうか、どうか、神さま、彼女を死なせないでください。(P.460)