ヘルマンとドロテーア
「幸福な時にも不幸な時にも、自分一人のことばかり考えて、苦しみや楽しみを人と共に分かつことを知らず、また、分かとうする気にも心からなれないようなものが、一体立派な男子なのでしょうか」(P.21)
ゲーテの名作。という誉れ高い一作。
なんだけど、内容としてはどうかなぁと。翻訳なので語調とかリズムとかその辺は評価外として、やたら説教くさい、まじめな作品なわけだ。
最後のほうで、ちょっとした誤解とすれ違いで、ごちゃごちゃしちゃうんだけど、あんなんで解決しちゃうのという感じ。これなら、橋田寿賀子ドラマのほうが見ごたえあるじゃんとか思ってしまう。
まぁ、でも老若男女が可もなく不可もなく読める、道徳性のある家族活劇と思えば優れているのかな。
個人的にはイマイチ好みではない。