吶喊
ああ!これが二十年間憶いつづけていた故郷なのか?(P.79、故郷)
高校のとき、国語の教科書で呼んだのが魯迅の「故郷」。とにかく、なんちゅう悲しい話なんじゃと思ったことは良く覚えている。大学に入って、何か急に読みたくなって買ったんだよね。でも、そのときの読後感は全然覚えていない。面白くも詰らなくもなかったのだと思う。
というか、こんな暗い話ばかり一冊読めば感覚も麻痺するわな。でも、中国という貪欲な国家の中に飲み込まれた大衆という部分の弱さへの洞察は優れている。日本という国家はこれほど貪欲ではないので、多分これほど悲しい話はかかれないとは思う。
まだ人を食ったことのない子供なら、あるいはいるかもしれない。/子供を救え......(P.29、狂人日記)