ロウソクの科学

いろいろのものを支配している法則のうちロウソクの話のなかへ出てこないものは一つもありません。(P.13、第一講)

地元でサイエンスカフェを手伝ったときに、講師の先生からこの本の話が出たので、再読。
目を引く奇術みたいなことも大事だけれども、日常に潜む科学というものを、どう重んじて、より多くの人の共通理解にしていくかという、非常に優れた一冊だ。何度読んでも、科学にまつわることを仕事にする人間としては、学ぶことが存在する。テクニカルにどう内容を展開するかということ、また科学を通じて伝えるべきこと、ファラデーという人間の奥行き。自分がどこまでそういう人間になれるか分からないが、何度でも読み返したい。

諸君の生命が長くロウソクのように続いて同胞のための明るい光輝となり、諸君のあらゆる行動はロウソクの炎のような美しさを示し、諸君は人類の福祉のための義務の遂行に全生命をささげられんことを希望する次第であります。(P.119、第六講)