文学部唯野教授

「生きていく上には権力機構にもどっぷり身を浸さなきゃならねぇ。これはどこの社会だって同じでござんしょうが」(P.49)

あー、大学教職員側に一度身を沈めてみてから読むと、実に含蓄の深い本です。といっても、限りなく職員に近い教員だったので、やや客観的に見れますけど。どっちにせよ、学生のときに読んだのとはまた違った味わいがあって、人生において2度楽しませてくれたいい本でした。
でも、この2度目の楽しみって万人には味わえなんだろうなぁ。どっちにせよ、大学教員ってのは特殊なコミュニティです。はい。

そして彼ら学内政治にうつつをぬかし、ろくに研究もしない連中の、自分たちこそ純粋であるという信念には確固たるものがあった。(P.22)