格闘する現代思想―トランスモダンへの試み

誠実であることを条件とするが、現在ではいわば何でも構想し、自由に模索することができる。(P.29)

言われてみれば、思索の座標軸がない分、なんでも模索できるような気もするわな。
幾人かの哲学屋が寄って集った書いた本。正直結構面白いです。
個人的には、潔癖症候に関しての解説と、地域と市場の話は結構面白かったかな。一応、以下関連メモ。解説はなしってことで。

環境の浄化や身体からの毒性排除(detoxification)へのヒステリックともいえる志向が、人々の意識を占領しかけている(P.75)
地域性を希薄にしてしまった市場社会に代わって、地域に根ざした経済主体が形成されるとすれば、まず生活の本拠を充実する営みから始まるに違いない。(P.128)
生活の本拠を置く老若男女の経済参加が積極的になる。この自発的なボランティア活動にこそ、地域住民の主体形成の根拠がある。(P.130)