年中行事覚書

ちがった土地に入って行くと、故郷ではついに聴いたこともないような、かわった食べ物をこしらえる日があって、それに基づいてその日の呼び方や、言い伝えなどにも思いがけないものが行われている。(P.27)

愛知に住んだときにいつもそういう感じでした。今でも時たまそういうものに出会います。
いわゆるメジャーなイベントではなく、地域に根ざしたあんまり地域の人もイベントとして自覚していない、プチ節句みたいなものを解説した本。結構面白いです。まぁ、事例という意味ではそんなに全国各地365日網羅的な辞書を期待されると、大変物足りないです。
でも、一つひとつのイベントを丁寧に考察しているので、読み物として楽しめます。一読の価値はありです。

わずか水を一杯というような小さなもてなしでも、志の深い者は神のお恵みを受けるという教訓であったろうと思う(P.221)