家族法を見直す

色々考えさせられた一冊。この本の主張に賛同すると言うわけじゃないけれど、やっぱり日本における家族と言うものの意味合いを考えると、今の法体系ってのは最善とは言いがたい。

とはいえ、伝統的家族がいいかというとそれもまた微妙。そこは法でシッカリと進歩させるのも大事。

なので、

第一次改憲案(1950年ごろ。家族制度の復活と再軍備が目玉)に対し、自衛隊(再軍備)反対の立場の人はもとより、たとえば保守政党の女子・青年部の人たちの間でも、再軍備には賛成だけれども、「家族制度」の復活はゴメンだという意見が広がりました。(P.13)

この辺の気分は分かりますな。そういう意味では国民は健全。

福祉を社会におろす場合の、その社会における受け皿は、欧米においては、地域社会、宗教団体、ボランティアなどが期待されます。しかし日本では、これらが受け皿となる伝統がありません。その代わりに欧米になくて日本にあるものとして、企業と家族があります。(P.22)

とはいえ、この前提はどうかと。結構ボランティアとか、共助、互助の仕掛けは日本でもあるにはある。また、寺がそういう機能を持っていた伝統がある。
まぁ、時代の進展も少なくない。

男女平等をいうのなら、共働きの場合には、家事・育児労働についても平等に、というのが筋でしょう。(P.27)

で、これは確実に進んでいます。でも、進んでいないのは、子の権利。共同親権問題とか、解決すべきものも多い。いっぺん家族法にがっちり取り組んでもいいかなと思いました。

親子のきずなを、特に子の福祉の観点からどのように保障するか、あらためて見直すべき時期に来ていると思います。(P.49)