王維詩集

苦無出人智(P.73、贈従弟司庫員外球より、人に出ずるの智無きに苦しむ)

今の俺だわな。
詩仙といわれた、杜甫だの李白だのに次ぐ名声の有る詩人。日本でも、有名。でも、具体的にこの詩のこの節ってのはあんまりない。で、読んでみると、悪くない。悪くないどころかいい。さすが、本人が生きている間から高い評価を得ていただけあって、いい。日本人が読んでいても自然と楽しめる。

勝事空自知(P.97、終南別業より、勝事空しく自ずから知る)

成長期のこういう詩もいいが、晩年の

天命無怨色/人生有素風(P.154、送基母校書棄官還江東より、天命 怨色無く/人生 素風有り)

は、特に気に入った。政治家でもあったので、引き際に関する考え方も日本人好み。何ではやらないんだろう。

済人然後払衣去(P.209、不遇詠より、人を済いて然る後に衣を払いて去らん)