母子家庭にカンパイ!―離婚・非婚を子どもとともに生きるあなたへ
うーん。正直読み終わったあと気分が悪かった。
母子家庭を差別する気もなければ、制度上に問題があることを認めないわけでもない。が、その書き方がワヤなのだ。なるほど、いまの子ども関連の制度がつぎはぎだらけで一貫性のない制度になるわけだ。まさに主張の戦略ミスだ。
彼女らが書いているように、制度の作る側の無知もそうだが、彼女らの制度に対する無知と「まずは私の生活をなんとかしろ。子供は次だ」というアクションの論理で圧力をかけるものだから、どどのつまり大人のための制度しかできんということはよくわかった。
彼女たちの主張は、「まずは自分が生き生きすること。こどもはそれを望んでいる」という論理で構成されている。しかし、それは男側の論理も等しいはずだ。で、男ばっかり生き生きしてずるいと言って、がみがみ言ったところで、本当に、子供はそれを望んでいるわけではないはずだ。まずは、子供の幸せのために最大限の適切な努力をするべきだ。
この本は母子家庭と男社会の対立と言う視点で、多くのエッセイが書かれているが、実際は、子供を理解せず、次世代育成を考えない大人の問題なのだということをとてもよく確認できる。書いている本人も、自分より他国の状況はいいなとか、自分もこうなればいいなばかりで、子どものために社会を良くするという話はいっこうにない。
加えていうなら、なるほど、この論理がモンスターペアレンツを生むわけだということもわかる。
後半の制度論的な話は純粋に勉強にはなったが今ではもう古い。
正直、こんな本は僕はいらん。大人なら子供のために飢え死にしても、いい社会を残す覚悟と努力をするべきだ。自分がもらえる補助金の額ごときで汲々するな。