アポリネール詩集

生きるの死ぬの やれ良いの やれ悪いのと//ご苦労さんです(P.177、やれ良いの やれ悪いの)

まぁ、人生そんなもんです。はたから見ればご苦労様でしかないんでしょう。
翻訳の上手さもあるんだろうけど、フランスの詩集ってのはドイツの詩集とはちょっと味わいが違う。

エ!オ!ア!/砲弾が屁をたれた/エ!オ!ア!(P.104、カリグラム、交代)

屁ですか。戦場での歌でこれでいいんですか。

この刑務所のなかで動いている多くのかわいそうな心臓(P.80、アルコール、獄中歌)

この唯物的な表現も、だいぶ興味深い。で、時折人生訓をたれる。

しかし人生はどのみち残酷だ(P.26、動物詩集、海豚)
命ばかりが長く/希望ばかりが大きい(P.52、アルコール、ミラボー橋)

で、結局小さな人としての本音。

仕事はいやだがタバコは吸いたい(P.156、ライン詩集、ホテル)