古典落語 金馬・小円朝集

とはというのは、よゥく調べたら、千早の本名だ(P.315、千早振る、小円朝集)

前の圓生集と違い、話しの見通しがよく、サクサク読める落語集という感じ。その分、笑いに特化した作りという印象かな。この、千早振るのようにメジャーな題目が大変読みやすく出来ている。おまけに、この一席はインタビュー、解題つき。入門向け。その分、圓生のように泣かせる場所とかは少ない。

ま、文化文政から天保ぐらいへかけまして、ごく世の中がのんびりしておりまして、/「今日はどうして食べよう......」/なんて、食べることに心配がございませんで、「明日はどこィ行って、どうやって遊ぼうか」/なんて、遊ぶことに心配してェました太平の民......われわれの祖先でございます(P.16、花見の仇討、金馬集)

こんな世界で広まったものではあるけれど、落語は生き物

......こうなると落語もだんだん科学的になります。(P.133、佃祭、金馬集)

のように、話し手一つで現代風のくすぐりを入れるなど色々変遷するものなのだ。落語が如何に変わるかという点で、読み比べるの楽しいのかも。