じゃじゃ馬ならし・空騒ぎ
ほかにじゃじゃ馬ならしの名案をご存知の方がおいででしたら、どうぞ名のりをあげていただきたい(P.96、じゃじゃ馬ならし)
恋に不器用なボーイッシュな女の子の恋愛が出てくるお話ってのは、昔から人気のお話なんだろうな。シェークスピアからそんな設定の代表作2作を収録したのが本書。
今読んでも結構面白い。とはいえ、男勝りのそれぞれの女傑に対する、それぞれの相手はだいぶ違う。じゃじゃ馬ならしに出てくるのは、なんだかよくわからないけど、友人たちの付き合いの成り行きで結婚して夫に納まった男、空騒ぎに出てくるのは、昔からの口げんか友だち。後者のほうが設定的には、現代の少女漫画的でしょうか。
どっちも正直面白いです。じゃじゃ馬ならしの暴君の夫の合間合間のなんだか不思議な親切の発露とか。
着るものが貧弱だろうが、道具が廉物だろうが、それで君の値打がさがるって物ではない。もし、そんなことが恥ずかしいというなら、みんな僕のせいにしたらいい。(P.111、じゃじゃ馬ならし)
空騒ぎの方はもう少し手が込んでますがこちらも気楽に読めるものです。どっちにせよ、一読を他人に勧めることのできる一冊です。
それにしても、シェークスピアはうまい台詞をはめ込むなと
俺は独身のまま死ぬ言ったのは、結婚するまで長生きすると思わなかったからだ。(P.204、空騒ぎ)
いや、ほんとうに。