北原白秋詩集

ぱっと、白秋って聞いても、実はどんな詩があったっけという感じ。
とはいえ、社会の教科書ではこの時代の代表的な作家ということで、名前は出てくるのでそれとなく暗記はしているし、おまけに、作詞家でもあるので音楽の教科書なんかでも名前は見ていたような印象はある。申し訳ないが、その程度の認識だったりもする。

あらためて、詩集を読むと、その描写は、なんというか、ぞっとする感じ。

酷や、可哀や、二百の人形、/泣くにや泣かれず、裸の人形、/赤う膨れた小股を出して、頭みだして、踵を見せて、/鮭の卵か、児豚の腹か、水子、蛭子を見るがよに、見るがよに、/床に積まれて、瞳をあけて、赤い夕日にくわと噎ぶ。/くわと噎ぶ。(P.40、人形つくり)

山積みになった、出来損ないの人形に夕日のが当たっていて、目玉がこっちを向いているような情景岸となく思い浮かぶ。が、それが気持ち悪い感じなのだ。呪いの人形系。これで「人形作りはたのしや」なんていわれても、怖いです。その描写力もさておき

註。ちゆうまえんだ。わが家の菜園の名なり。(P.36、黒い子猫)

意味不明のキーワードが最後に註で登場するという構成のものが多く、読み終わってから困ってしまう。おまえんちの菜園の名前何かしらねぇよ。もうちっと使う言葉考えろ。とかいいたくなる。
で、あわせてみて、なんとなく、詩集の印象はこんな感じ。

カステラの縁の渋さよな。(P.48、カステラ)