夏の夜の夢・あらし
シェークスピアの代表作2編を一冊にまとめたもの。どちらも妖精たちがひと働きする喜劇的な恋愛ファンタジー。夏の夜の夢のまちの商店主たちの演劇が、喜劇の中の喜劇になっていてこれがまた個人的には楽しい。
だめなものであればこそ、それを喜んでやるのが、吾らの心遣りというものであろう。(P.94、夏の夜の夢)
他方で、あらしのほうは若干説教臭い。というか、主人公の爺さんがそもそも説教臭いキャラだからか。
手軽に得た宝は必ず手軽にあしらわれるもの......(P.151、あらし)
大事なのは道を行う事であって、怨みを晴らすことではない。(P.214、あらし)
とはいえ、お間抜けさんたちの素敵な発言も。
休みだ!休みだ、自由だ!自由だ、休みだ、自由だ!(P.180、あらし)
酔っ払いもたわごとも、よさそうな話だけどよく考えるとなんか変みたいな。
人は万人のために働くべし、吾が事に心を用うべからず(P.225、あらし)
ヘビーな悲劇よりは気楽に読めるけど、ちょっとあらしは重いかなぁ。軽いのと重いのでセットでシェークスピアを楽しめるお得な一冊ってことで。